文章作成のトリレンマ

「文章作成のトリレンマ」(※1)とは①文章の短さ②正確性③分かりやすさ、の3要素については、2つしか同時に満たせないということを意味する。つまり以下のようになる。


A:文章の短さと正確性を取ると、分かりにくくなる

B:文章の短さと分かりやすさを取ると、不正確になる

C:正確性と分かりやすさを取ると、文章が長くなる


では、A~Cのどの書き方が正解なのか?(※2)

正解は、そのときの読者が誰によるのかであろう。


A:読者が、文章の基礎知識を備えている場合

B:読者が、文章の基礎知識を備えておらず、なおかつ、強く学ぼうという意欲を持っていない場合

C:読者が、文章の基礎知識を備えておらず、なおかつ、強く学ぼうという意欲を持っている場合


まあ、それ以外もあるような気がするけど、ざっと、こんなところだろうか。この3つを意識するだけで、読者が誰かをうていして文章を書くようにすれば、もろもろコミュニケーションが上手くいくかもしれません。もちろん熟達すれば、A~Cのそれぞれの弱点をカバーした文章を書けるようになるでしょう。

※1 トリレンマとはある3つの条件について、2つの条件しか同時には実現できないことを指す。有名なのは「国際金融のトリレンマ」。①独立した金融政策②安定した為替相場③自由な資本移動の3要素について言及する

※2 実際の文章はこの3つのどれもが混ざり合っている